Okinawa Motion Picture Festival 2006 −沖縄映像祭−

OMPFに寄せて

OMPF第1回目の去年2月。最終審査の発表で田口トモロヲさんが壇上から「グランプリは無し」と発言した後、会場全体を一瞬覆った重い空気が忘れられません。あのような空気は嫌いではありません。仲間同士がサークル感覚で予定調和的に「事を収める」のはもうやめた方が良い。最初のグランプリ作品のレベルがその後の映画祭のレベルを決める。と、頑固中年オジサン3名は考えたのです。僕たちの乱暴な提案を受け入れてくれた事務局の英断(?)に感謝します。グランプリを出さなかった一人としてOMPFのその後は大変気になっておりました。2回目の開催おめでとう、嬉しく思う。 映像を制作、発信することが全ての人に解放されています。稚拙さは悪いことではありません。「伝えたい何か」があれば頑張れば良い。新しい才能の登場を期待しています。

僕たちが生きる世界、そして沖縄は今、どんな社会なのか?
僕たちは今、どんな顔をしているのか?
君に僕はどんな風に見えるだろうか?
そんな日常をむんずと掴み取って見せて欲しい。


OMPFに寄せて

インターネットの登場で…ブログやSNSの登場で…私達はいきなり「世界」に発信できるようになりました。そして「YOU TUBE」の登場で、文章や写真に加えて、動画をも気軽に発信できるようになりました。
2005年に設立されたYOU TUBEは瞬く間に、ネットの世界を席巻しました。これからもその勢いは続くでしょう。

インディーズ作品をエントリーし、評価する全ての映画祭は今、分岐点に立たされていると言っていいでしょう。YOU TUBEにアップすれば、いきなり「世界」が見てくれる可能性があるからです。チャンスという意味では、この上ないチャンスです。サンダンス映画祭のように、ブランドとして確立されたものならまだしも、無名の映画祭には、とても辛い状況です。

OMPFがこれからどのように育っていくのか、私はとても楽しみにしていますが、大事なのは変化し、成長する事です。

1回目は「勢い」で出来ます。
2回目は1回目の結果で産まれる「反省」や「期待」で出来ます。
3回目は正念場です。ここを超えれば、最初の関門を抜けたと言って良いでしょう。

沖縄でインディーズ作品のコンテストのようなイベントは、昔から何度も行われていますが、大抵は3回以内で終了し、継続出来ませんでした。

インディーズ作品の映画祭には作り手も、観客もどちらも必要です。

作り手にとっても、観客にとっても、参加が楽しい映画祭でなくてはなりません。そもそも作り手の少ない沖縄は、「どう作ってもらうか」を考えるのも大切です。入場料を取る以上、観客には普通のハリウッド映画を映画館で見るよりも満足できる「何か」を提供しなければなりません。
スタッフのモチベーションの持続も大事ですし、継続にはスタッフの上手な代替わりも必要です。

継続できなかった映画祭は、それぞれ、どこかが足りなかった。

第二回OMPFに、私はとても期待しています。
是非、期待に応えて下さいね。


OMPFに寄せて

いよいよあと三ヶ月を切った訳ですね、第二回OMPF。今年はどんな作品が観られるのか、とても楽しみです。どんなに稚拙でもいい。 キャメラのピントがずれてたって構わない。ただ、必死に何かを表現しようとしている作品に出会えると、正直とてもうれしくなります。

言いたいこと、表現したい気分、大好きなムード、そんなものがあるから映像を作るワケで、技術や表現方法なんてものはあとからいくらでもついてきます。一体自分は何を言いたいのか、それがきちんと表現できている作品に出会うと、私はとても嬉しくなってしまいます。実際、第一回には何本かそう言う作品がありました。

見た人の感想? そんなものは紙に丸めてトイレに流しちまっていいですよ。最初から最後まで自分との戦い。本当に自分の好きなこと、やりたいことができているのか。それこそが最も大事なこと。他人は騙せても、自分自身は決して騙せません。妥協できないって、結構大変ですよね。さてさて今年の映像祭、一体何本の「作品」にで会えるの でしょう? 楽しみです。マジで。

中川陽介