沖縄映像祭2010のコンセプト

「荒削りでもいい、自由で独創的な作品を」

制作技術が先行する昨今、誰もが映像を撮って編集して作品として世に「簡単」に送り出せる時代になりました。映像の数だけが増えていく映像消費時代において、人の心を捉え、動かす作品の重要性は増々高くなっていくと考えています。

もともとは沖縄県内に自主制作映像作品を上映する場がない、というきっかけで企画・開催された本映像祭ですが、沖縄で開催するから沖縄で撮らないといけないのか?出身者・在住者でなければならないのか?という縛りがあるかと言えばそうではありません。当初はそういう縛りもありましたが、参加者の表現の幅を狭めたくなかったので外しました。
沖縄という小さな島国の、小さな映像祭を通して、これがきっかけとなって数年後または数十年後、世界へ発ってほしいという大げさだけれどそういう想いを込めて立ち上げた映像祭です。 他地方で開催する映画祭・映像祭との差異は?と聞かれれば、今のところ「沖縄のスタッフが沖縄で開催・企画・運営をするので自ずとその色は出てくるものだと考えています」とだけしか言えませんが、ここでしか出来ない企画、お呼びすることができない審査員の方々も含め、参加者が興味をもってもらえるイベントを目指しています。

名称を「映像」としている理由は、映像作品はCM・PV・映画・ドラマ・芸術等々、あらゆる分野の表現で使用される為、これに限定せず、という意味を持っています。過去のイベントでは「映像×演劇」「映像×音楽」というプログラムも打ち出しました。映像の表現の可能性をもっともっと知りたくて「沖縄映像祭」という名称にしています。

また、合わせてこのイベントに参加した、いち鑑賞者の方々が、映像作品の可能性に刺激を受けつつ、作品に対する観る視点を養って、継続的に映像作品鑑賞のファンになっていただければ幸いです。

表現は自由です。ありきたりの言い方でしか言えませんが、作品の中でどこかひとつでも人の心を鷲掴みにするような心動かす作品を我々は心待ちにしています。

沖縄映像祭実行委員会